陶芸と七宝焼のコラボ

かなり前に陶胎七宝と言う物があることを知りましたが、その頃のネットでは情報量が少なく、明治
時代に有田焼や九谷焼の壺がヨーロッパに輸出されていたように陶胎七宝の壺も輸出されていたという
程度のことしか知り得ませんでした。
 その時に思い立ったのは、土っぽい陶器に鮮やかな七宝を絵付けしたら面白い作品になるのではと考
えました。
小さな七宝窯で土鈴に七宝釉薬を盛り焼成してみました。七宝釉薬の部分
が盛り上がっていますね。30年以上経っていますが密着や他にも問題はあ
りません。
ただ、この段階で分からなかった事がありました。七宝焼きの場合、
窯の温度を上げておいて作品を窯入れしますが、陶芸の場合、これでは作
品が割れてしまいますので、楽焼のように窯内が明るくなる前に入れ、昇
温して、釉薬が溶けたら窯出しします。この土鈴の場合これで問題なく出
来上がりました。しかし、下の写真のような作品では加熱時に割れが発生
しました。土鈴に比べて窯内キュウクツです。作品に”温度むら”ができ、割れにつながったたようです。
          
このことは、昇温を緩やかにする事と途中ならし時間を置くことで、一応の解決はしました。どうやら、
このコラボの一番のポイントになりそうです。

割れの事もクリアでき作品が出来るようになったので、整理の意味もあり、10ページの小冊子を作成しま
した。「陶芸と七宝焼のコラボガイド」のタイトルで内容は次のようになっています。
    項目
●陶芸と七宝焼のコラボとは
●七宝は陶器に密着するのか?
●コラボの課題は
●コラボの手順
●陶芸と七宝焼のコラボ作品例
●作品制作あとがき

このコラボに関心を寄せられた方にはこの小冊子を無料で送らさせていただきます。
「お問い合わせ」でお名前と住所をお知らせください。

私ひとりの感性では作品に限界があります。創作して頂き、どのような作品が生まれるのか知りたい
という思いです。

最後になりますが、七宝焼用に電気釜を作りました。Facebookぺーじに載せておりますので、こちらも
ご覧いただけると有難いです。
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付記

愛知県に「あま市七宝焼アートヴィレッジ」という施設があります。この地の七宝焼きの歴史や体験教室
や売店などもあります。当時の壺の制作設備も展示されていて、陶胎七宝の技術をうかがえることが出来
ます。近くに七宝町という地名もあり、工房もあるようで、昔はこのあたりで壺が作られていたと感じら
れました。交通は電車とバスですが、2~1.5Kmくらい歩かなければなりませんでした。駅からはタクシ
ーがあるようです。